亡くなられたばかりの方や、ご家族に贈るお花を「枕花」と言います。枕元に飾ってお悔みの気持ちを表すところから、そう呼ばれています。とはいえ、大きさはどのくらい?金額はいくらくらいがいいの?という質問に、実例を踏まえてお答えします。
「枕花」を用意するのは、親族・近親者・仲が良かった友人・・・
故人様が一旦、ご自宅に戻ってきて安置されます。とりあえず枕元にお花を飾ったり、お線香をあげられるようにしたりするのは、「枕飾り」と呼ばれています。一通り飾り付けが終わって、お線香をあげて、手を合わせてから、では、お葬式について打ち合わせをはじめさせていただきます!というのが「葬儀屋さん」のながれになります。ですので、一般的に、「枕花」を用意するのは、親族や近親者、仲が良かった友人になります。
まだ亡くなってすぐの状態ですので、その知らせを受けた人は必然的に関係の深い人達になるからです。そして数日後に「お葬式(お通夜・告別式)」があるので、普通の人たちは、そちらでお花を出すことが多いですからね。それは「枕花」ではなく「葬儀用の供花」と呼ばれます。
※故人様が布団に寝かされている横に、お線香やリンなどを置く机(経机)を用意するのですが、昔はどの家にもあった「座布団」ですが、最近は持ってない家が多いんです。普段使わないですもんね。あわてて座布団を買いに行く、という家がほんとに増えているそうです。
どのくらいの大きさがいいの? 金額は?
この大きさじゃないと失礼。とか、この金額は必要。とかはありません。しいて言うなら、お部屋の広さや、お家の規模感、故人様の立場(社会的地位)、などが目安になります。
【小さくても大丈夫・むしろ小さめの方が良いパターン】
お家:アパート・集合住宅など(1DK、2DK)くらい
金額:\5000~\10000(目安)
あまり場所に余裕がなさそうな場合は、大きいと逆に大変になってしまうことがあります。玄関が5人ぶんの靴でいっぱいになってしまうくらいの規模感が目安だと思います。
【一般的なパターン】
お家:普通の戸建て、リビングとは別に和室もある(10人くらいの靴は玄関に置ける規模)
金額:\5000~\15000
枕花が数個は置けるスペースがあるでしょう。大きさはあまり気にしなくても良いと思います。価格帯も自由な印象です。
【大きい方が良いパターン】
お家:豪邸・あきらかに富裕層・庭すごい・駐車場2台以上のような場合。
金額:\10000以上~ 平均\20000 をオススメします。
だいたい、こういうお家に住んでいる方は、社会的地位も高く、お仕事関係の方々からお花がじゃんじゃん届きます。まだお葬式じゃないのに・・・それでも置けちゃうようなお家のキャパ(スペース)があるから驚きです。世の中には大きいお家・広いお家ってけっこうあるんですよね。こんなお家にお届けする場合は、予算もそれなりにかけましょう。で、お花屋さんに「他のお花に見劣りしない大きさのお花を用意していただきたいんだけど、いくらくらい?」と先に伺ってしまいましょう。もし他にも注文をいただいていれば、「このくらいの予算の方が多いですよ」とか「みなさんこのくらいですよ」などの情報が得られる事があります。そうすれば、自分のだけ小さいお花だった・・・という事は避けられます!
小さいと「なんでこの人こんなに小さいの?」と逆に悪目立ちしてしまった事もありましたので、それ以降は、故人様との関係や、故人様の人となりなども、やんわりお伺いするようにしています。
他に気をつける事や注意点は?
これもあくまで「一般的には」と言われている事で、「名札」は立てない。と聞いたことがありますが、私は「名札」は立てることをオススメします。
その理由は「2つ」、お花をいただいたご家族の方が後々困ることがあるから。です。
「1」
身内が亡くなって、もうバタバタしてます。お葬式が無事に終わって、ようやくホッと一息つけるのが正直なところです。ようやく一息つけた時に思います。あ~改めて皆さんにお礼を伝えなくては、、、と。お花をいただいたのは〇〇さんだったわね、あれ、どのお花だっけ?? となります。いただいた時は覚えていたけど、いろいろあったから、、、覚えてない、、、
「2」
故人様のご友人や、仕事関係の方だったりすると、親族の方はどこの誰だかわからない、、、
ですので、名札は立てておくのが「親切」だと思います。特に仕事関係などの場合は「会社名」なども明記することをオススメします。中には「名札もお花も目立たせてくれぃ!」という方もいます。以前あった例ですが、多くの土地を持つ地主さんでした。銀行だけでも数社からお花が届いていました。遅れをとった銀行さんが言ったセリフです。「どこよりも立派な物にして、大至急届けてください!!名札も大きくね!」と。これは「親切」ではなく「アピール」のほうですけどね(笑)
近年増えている例
昔は、故人様(ご遺体)は、病院で亡くなったら → ご自宅に帰ってくる → 安置 → 旅支度 → 納棺の儀 → 葬儀場に向けて出棺 という流れだったので、「枕花」は「ご自宅」へ というのが常識だったのですが、、、
近年、「ご自宅に帰ってこないパターン」が増えているんですね。お花を届けたら、肝心の故人様がいません!というパターンです。
なぜ帰ってこないか、というと「理由」がいくつかあります。
1:自宅が狭い
2:葬儀場で預かってもらったほうがいろいろと都合が良い(仕事などあるし・家族の負担も減る)
3:自宅に来訪者が来られても困る、近隣の人にはあまり知られたくない
4:昔の風習とか知らない
などが多い理由です。正直、いいのか悪いのか、なんとも言えないですよね、時代ですね。
まとめ
「枕花」に大きさや金額の「決まり」や「失礼」などというものはありません。
個人の価値観や、故人様へのお悔みの気持ちが1番大切です。あまりいろいろ気にしないで「偲ぶ気持ち」があれば大丈夫です。それでも不安な事や、気になる事があれば「お花」のプロである「お花屋さん」に相談してみることをオススメします!
そして、ご自宅に安置されているのか、葬儀屋さんの式場などに安置されているのか、も確認しておくとスムーズに「枕花」をご用意することができると思います。
コメント